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第25回 ファランクス・フォーラムを開催しました 2015.09.11

はじめに
2015年9月9日(水)19:10より第25回 ファランクス・フォーラム(社内勉強会)を開催しました。参加したのはファランクス東京本社スタッフ46名と社外からのゲスト4名の計50名。また、国内拠点2箇所(京都ラボ、沖縄支社)に向け実況中継を実施しました。
今回ゲスト講師を務めていただいたのはITジャーナリスト星 暁雄氏。

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星 暁雄(ほし・あきお)氏プロフィール
ITジャーナリスト。日経BP社で『日経エレクトロニクス』記者、オンラインマガジン『日経Javaレビュー』編集長などの経験を積み、2006年に独立、インターネットサービス開発を経験。現在はフリーランスITジャーナリストとして活動。半導体、プログラミング言語、オペレーティングシステム、エンタープライズIT、インターネットサービス、スマートデバイスなど、幅広い分野の取材執筆経験を持つ。イノベーティブなソフトウェア分野全般に関心を持つ。最近は現実世界のモノとソフトウェアを結ぶ技術に特に注目している。


今回は「マイクロサービス、IoT、機械学習〜少し先のITの未来〜」というテーマで、Webサービスの開発体制のあり方や、今後ますます注目を集めるIoT(モノのインターネット)、現実的な成果が見えつつある機械学習からITの今後を見極める上で参考になるお話を聞かせていただきました。

マイクロサービス

マイクロサービスはLINE,クックパッド、ビズリーチなどが採用していることから近年日本のIT業界でも注目が集まっています。マイクロサービスは、サービス全体が、独立した小さなサービスの集合で構成されます。小さなサービス同士で異なる言語、開発フレームワーク、そしてデータストレージ技術などを使っていても組み合わせてサービス全体として機能します。


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マーチン・ファウラーはマイクロサービスの条件を次のようにまとめています。
ファウラーによる9つの条件

• サービスによるコンポーネント化
• ビジネスケイパビリティに基づく組織化
• プロジェクトではなくプロダクト
• スマートエンドポイント、ダムパイプ
• 分散ガバナンス
• 分散データ管理
• インフラストラクチャ自動化
• 障害設計
• 進化的設計


ポイントは小さく産んで、大きく育てること。いままでのサービス開発は巨大なモノリシック(一枚岩)な情報システムでしたが、マイクロサービスは、独立した小さなシステム(と開発チーム)を連携させる形になります。

そのため、マイクロサービスは独立したアジャイルなチームであることが前提になってきます。ただ、チーム・メンバーが自分たちで考えて決断し、継続的に開発運用する覚悟も必要になってきます。

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「マイクロサービスありきでスタートしてもうまくいかない。システムが複雑になっていなければ、マイクロサービスを入れても意味がない。優秀なエンジニアが結果を出した結果マイクロサービスになったという風にあくまで自然に発展する形が望ましく、マイクロサービスは手法というより結果」であるべきだと星氏は結びました。  

IoT

モノのインターネット(Internet of Things)では「現場」のデータを機械(センサーデバイス)が取得するようになります。それによって、さまざまなサービスやビジネスが生まれる契機となります。
 
これまでのIT、これからのIT 
これまでのITといえば、スケールするWeb上のサービスで、IT専業ベンダーが主導していました。他方、これからの主体はITベンダーに限らない事業会社で今後のIT革命の最前線はWebではなくリアルワールドに移行していくと考えられます。

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マシンによるデータ取得と知見の活用は重要ですが「知見だけじゃない」応用も今後は出てくるという見方を星氏は示しました。たとえば、浄水器のフィルター切れをセンサーで検出し、その情報をユーザーのスマホに通知するといった単純な仕掛けもIoTの事例になるのです。
また、これまでITとあまり結びつかないような領域、たとえば水産への応用も始まっています。たとえば、牡蠣の養殖において、水温が一定以上高くなるとと牡蠣が死んでしまう自体を解決するために、センサーで海水温を監視して、水温が上がりそうになったら、冷水を注入するなどの対策を仕組み活用されています。

スマートフォンを見直す

私たちの身近にあるセンサーデバイスとして、スマホから取れる情報は既に膨大なものになっています。たとえば、「ジオフェンス」という仮想的な地理的境界線内にユーザーが移動したタイミングで割引クーポンを送るようなアプリはandroidでもiOSでも増えてきています。

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機械学習

人工知能の最近のブレークスルーとして注目が集まっています。大きな特徴として「脳」を模倣しているということがあります。機械学習の歴史は長いものの、それを可能にするための膨大なデータとそれを処理するデバイスの発達により、現実的に新しい価値を生み出せる段階に入ってきたと考えられます。
 
IoTと機械学習をセットに

機械学習には大量のデータが不可欠。その大量のデータをIoTのセンサーが大量に提供するようになったことが機械学習の発展を今後、どんどん推し進めていくことになりそうです。ディープラーニング(深層学習)のインパクトも大きなものがあります。データの読み方をデータそのものから機会に学習させるのです。つまり、人間が教えなくとも学習、機械自身が自ら学べるようになりました。

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たとえば、googleはネコの特徴を機械に学習させることに成功しました。 機械学習は理論だけでは完結しません。実際にデータを食べさせてみないと結果はわからないという予測不可能性が興味深いところです。
 
おわりに

エンジニアが興味を持つものやエンジニアの発想に着目しながら技術と社会の動きを追ってみると、いろいろな未来予測ができて楽しい!ということを星氏は最後に強調し、今回の講義を結びました。

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